施主目線でみたUA値
住宅の性能について調べていると、UA値やらC値やらQ値やら・・・、さらには熱貫流率とか日射取得率など出てきました。そんな中で、今回は、施主目線で調べたUA値についてみていこうと思います。
すんごくざっくりまとめると以下のような感じです。
UA値:住宅からどれだけ熱が逃げるか。値が低いと熱が逃げにくい。
そうなると、UA値でどのくらいがいいの?となるわけですが、UA値は地域別で基準があります。下記の表のような感じです(一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会 (http://www.heat20.jp/grade/)を参考にしました)。
地域の区分 1・2地域 3地域 4地域 5地域 6地域 7地域
代表都市 札幌 盛岡 松本 宇都宮 東京 鹿児島
[W/(m2・K)] 平成28年基準 0.46 0.56 0.75 0.87 0.87 0.87
G1水準 0.34 0.38 0.46 0.48 0.56 0.56
G2水準 0.28 0.28 0.34 0.34 0.46 0.46
G3水準 0.20 0.20 0.23 0.23 0.26 0.26
上記の水準をみてもG3が一番良いんだなあくらいしか分かりませんが、youtubeの動画等を参考にするとどの地域でもG2水準を目指すとよいとのことです。なぜか。
UA値は熱がどのくらい逃げるかですので、基本的には家の快適性にかかわるわけです。この快適性というのは、暑くない、寒くないというのは勿論ですが、温度差による健康被害(ヒートショック)を防ぐ目的もあります(家全体が均一な温度になりますからね)。では、G3がいいじゃないの!と思うかもしれませんが、快適性についてはG2程度であればかなり良いようです。問題はコストです。
G3を目指すには断熱材を増やしたり、窓をオール樹脂のトリプルガラスにしたりとお金がかかるのです。その分、快適性も増しますし、冷暖房費の削減にも繋がります。しかし、そのG3にする初期コストをかけるほどコスト削減には繋がらないという現実があるようなのです。コスパで言えばG2を目指そうという話です。
それでここまでは、巷でよく言われることかと思います。ここからは施主目線でということになります。
世の中の物にはスペックが存在します。カメラの画素数しかり、ゲームのテラフロップスしかり、車の馬力しかりです。そして、世の中にはスペック大好き人間が存在するのも事実であろうかと思います(私もスペックの高いモノが好きです)。このUA値もスペックの1つと言えるでしょう。安いお金で高いスペックを出せるならばそれはよいことです!スペック大好き人間は、このUA値、他にC値、(Q値)、坪数あたりで家を判断することになるのかもしれません。それでいくと、ハウスメーカーの中では一条工務店さんが飛び抜けています。工務店さんの中にも、お得な値段でG3基準でおうちを売っているところもあります(工務店さんはとりわけC値を高めるのが得意な感じもします)。
しかし
この世の中にはオーバースペックという考え方もあります。先のUA値が地域別になっていたことが示唆的です。ではオーバースペックという考え方の基準をどこに置くのか?それは人それぞれなんだろうと思います。
というのも、私たちの家は、地元の工務店さん、一条工務店さんと住友林業さんで迷ったわけですが、一条工務店さんの「冬でも半袖!」「いつでも春です!」という考え方の素晴らしさを鑑みつつも、季節の移ろいを感じていたいという思いもあったのです。住友林業さんは後者の考え方のようでした(ただ住友林業さんもG2くらいの数値が基準のようです)。
私は冬にセーターでもこもこするのが好きです。トレーナーやパーカーなどの秋~冬の服が好きで、寒いねと言いながらこたつに入るのも好きだったりします。私たちが50代ならば考えは変わっていたかもしれませんが、そんなこともあって、G3のスペックは私たちにはオーバーかなと思ったのです(もちろん断熱性を十二分に確保した上で、そんな生活をすればよいじゃないか!という考えもできますが・・・、そこは別の魅力とどこにお金をかけるかの問題です)。
ただ、スペック大好きの私は今でも一条工務店さんに憧れはあります。UA値が0.1違うと3度温度差が出るとされているようです(断熱性能と快適な暮らしの関係性[性能編] | プロの言葉 | 特集記事 | Replan(リプラン)WebMagazine)ので結構大きいです。
そんなわけで、UA値を施主目線でみると、「これからどんな生活をしたいのか」という問いに行き着いたのでした。
ただ、最後にこれを述べると元も子もないですが、お金があればG3にすればよいと思う!!!